本郷隧道

トンネル名称 本郷(ほんごう)隧道
路線名 元国道151号線
所在地 愛知県北設楽郡東栄町本郷
延長(m) 320m
道路幅員(m)  
車道幅員(m) 5.4m
歩道等(m) 0m
有効高(m) 3.5m
竣工年度 1921年(大正10年)
壁面 覆工 煉瓦 内装なし(注1)
路面 アスファルト系(注1)
照明 なし
通行制限 通行止め
その他 廃止トンネル
(注1)現地目視による 
調査日 2007年3月3日



 国道151号線の「新本郷トンネル」脇に今も残る大正時代に作られた「本郷隧道」です。
 東栄町本郷はかつては別所と呼ばれており、豊橋からこの別所を結ぶ別所街道という道がありました。別所街道は現在の県道69号線や国道151号線がその後身にあたります。
 その別所街道の峠に与良木峠というのがありまして、この峠をバイパスする目的で作られたのが「本郷隧道」です。大正10年の完成以来70年近くにわたり交通を支えてきましたが昭和の終わりと共にその大任を終え今はひっそりと余生を送っています。

 豊橋側の入り口です。
 コンクリート製のトンネルポーターで一見あまり古いものには見えません。
 トンネル入り口はフェンスによって仕切られ中に入ることは出来ません。観光案内看板に隠れてしまった高さ制限4.0mの標識やトンネル内に置かれている地元自治体のごみ収集箱がこのトンネルが既に使命を終えていることを実感させます。
 扁額銘板です。
 右書きで本郷隧道とあります。 が、木で隠れていて見にくいですがその下にも銘板が付いています。
 こちらも右書きで「昭和八年三月修繕?(最期の文字は良く見えません)」と見えます。昭和6年に坑口付近で土砂崩れがありこの時にオリジナルの坑門は失われ、その際の復旧工事で出来たのが現在の豊橋側の坑門です。10年ほどの違いで随分と見た目が近代的になってしまいました。
 トンネル内部です。
 壁面そでの部分は石巻きで上面は煉瓦巻きです。流石は大正時代製です。愛知県内で内部が煉瓦巻き立て構造のトンネルは珍しいです。他は旧本坂隧道くらいでしょうか。
 本郷側の入り口です。
 こちらはオリジナルの石積みのポーターです。
 大正10年というと既にコンクリートによる工法が始まってる時期ですので石積みポータルを持つトンネルとしては最終期に属するかと思います。現に10年後に改修された反対側の坑門はコンクリート製の近代的なものになってしまっています。
 本郷側の扁額銘板です。
 右から平仮名で「ほんがうずいだう」、「大正十年十二月開通」とあります。



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初稿:2007年03月27日
地図リンク修正:2013年10月20日