安渡沢隧道

トンネル名称 安渡沢(あどさわ)隧道
路線名 国道418号線
所在地 岐阜県加茂郡八百津町八百津
延長(m) 32m
道路幅員(m) 4.4m
車道幅員(m) 3.9m
歩道等(m) 0m
有効高(m) 4.3m
竣工年度 1954年(昭和29年)3月(注1)
壁面 覆工 セメント系 内装なし
路面 アスファルト系
照明 なし
通行制限 高さ制限3.7m(注2)
その他  
データは特記なき場合は平成16年度道路施設現況調査による
(注1)現地名板より
(注2)現地標識より
調査日 2012年1月28日



 「安渡沢隧道」は岐阜県加茂郡八百津町にある国道418号線のトンネルです。丸山ダムに程近い場所にあり、このトンネル自体ダム建設の際にそのダム湖に沈む道路の付け替え工事により作られたものです。付け替えられた道路(県道)は後に国道に昇格して「安渡沢隧道」は国道418号線のトンネルとなりました。
 1980年代になると新丸山ダムの構想が持ち上がり国道418号線の丸山ダムより上流部分は再び付け替えられることになり、現在では丸山バイパスが開通し生活道路としての役割もそちらに移行したのでこの「安渡沢隧道」を含む区間を通る車はめっきり少なくなりました。
 丸山ダム建設前の地図を見るとトンネルのある付近に「安渡」という集落が載っていますのでトンネル名はここから取られているのだと思います(近くに小さな沢がるのでこれを安渡沢と言うのかも知れません)。安渡集落はその後丸山ダム建設により消滅し跡地はダム湖の下となりました。

北側(丸山ダム方面側)
 丸山ダム方面より見た「安渡沢隧道」です。
 トンネル手前で分岐している道は丸山ダムの湖面へと続いています。かつてはダム湖の巡視船かなにかの発着場だったようですが現在は使われていないようです。
 北側より見た「安渡沢隧道」の坑門です。 
 コンクリート製の坑門ですが坑口の周りには迫石や要石を模した装飾がありよいアクセントになっています。
 北側の扁額です。扁額の上には笠石風の張り出し、下には要石と迫石を模した模様が見て取れます。
 このトンネル最大の特徴として、口坑の両脇に縦書きの銘板がはめ込まれています。向かって右側には「県道日吉八百津線」と書かれた銘板があります。路線名の銘板が取り付けられているトンネルというのはあまり見たことがありません。(この近くで同じ国道418号の「二股隧道」にも同様なものがあります)
 向かって左側には竣工年を記した銘板が埋め込まれています。銘板には昭和29年3月竣工とありますが、「平成16年度道路施設現状調査」には昭和28年と記載されています。
 北側より見たトンネル内部です。内壁はコンクリートで壁には丁寧に組まれた矢板の跡が残っています。


南側より(恵那方面側)
 南側(木曽川上流側)から見た「安渡沢隧道」です。新丸山ダムが完成するとこの辺りも湖の底に沈むことになります。
 「安渡沢隧道」南側の坑門です。
 こちら側の坑門は反対側のように苔などが生えていない分きれいに見えます。
 南側の扁額です。
 こちら側の坑門にも向かって右側に「県道日吉八百津線」の銘板があります。
 向かって左側にはやはり「昭和二十九年三月竣工」の銘板が取り付けられています。
 南側より見たトンネル内部です。トンネル内はアスファルト舗装されています。


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初稿:2007年4月14日
全面改稿:2012年2月4日