福島保木2号トンネル

トンネル名称 福島保木(ふくしまほき)2号トンネル
路線名 旧国道156号線
所在地 岐阜県大野郡白川村福島
延長(m) 40m
道路幅員(m) 6.4m
車道幅員(m) 5.9m
歩道等(m) 0m
有効高(m) 4.0m
竣工年度 1961年(昭和36年)
壁面 覆工 セメント系 内装なし
路面 アスファルト系(注1)
照明 あり
通行制限 高さ制限3.5m
その他
データは特記なき場合「平成16年度道路施設現況調査」より
(注1)現地目視による
調査日 2013年5月25日



 「福島保木2号トンネル」は岐阜県大野郡白川村にある御母衣湖脇にあるトンネルです。
 このトンネルは昭和30年代の御母衣ダム建設により水没する国道の付け替え道路に建設されたものです。当時としては十分なサイズのトンネルという認識で建設したのでしょうが、後のモータリゼーションの発達によりそのトンネル断面積の小ささから大型車のすれ違いが出来ないなど多くの問題が生じていました。
 また、このトンネルのある付近はかつて福島歩危と呼ばれ非常に険しい地形で交通の難所でした。地形の険しさはダムによる付替え道路でも変わらず、この「福島保木1号トンネル」から「福島1号トンネル」間のトンネル以外の場所はほとんどが落石よけの洞門に覆われていました。
 このような道路事情の悪さを解消する為に「福島保木1号〜3号トンネル」を含む福島歩危区間のバイパス工事が行われ、全長1000mを超える新トンネル「福島保木トンネル」が建設されました。これにより「福島保木1、2、3号」の各トンネルは国道指定から外れ第一線を退きました。
 「福島保木トンネル」開通により旧道となった区間は白川村の村道に格下げとなったようですが、現在では南側の旧道分岐地点に車止めが設置され、自動車での通過は出来なくなっています。また道路自体の整備も殆どされていないように見受けられます。
 昭和40年代発行の「道路トンネル大鑑 」によると、「福島保木1号」〜「福島保木5号」の五つのトンネルが記載されています。しかし現在では「福島保木1号」から「福島保木3号」までの三つのトンネルしかありません。足りない「4号」と「5号」トンネルは開削され無くなってしまったのかその詳細は分かりません。また残る「1号」から「3号」トンネルについても「道路トンネル大鑑」と「平成16年度道路施設現状調査」とでは延長に誤差とは思えない程の違いがあり、こちらについてもその理由はよく分かりません。

南側(岐阜市方面側)
 「福島保木1号トンネル」の北側の坑口を出るとすぐに、「福島保木2号トンネル」が見えます。
 「福島保木1号トンネル」と「福島保木2号トンネル」との間は、鉄骨製の洞門でつながっています。
 南側の坑門です。建設後改修されたと思われるトンネル内の覆工箇所はきれいなのですが、それ以外の箇所のコンクリートはかなりボロボロになっています。 
 坑門の一部が崩れてしまっています。崩れた断面を見るとコンクリートに非常に大きな石が混ぜられていたり、鉄筋の類が一切見られませんがこういうものなのでしょうか…?
 扁額は洞門の屋根に隠れて見えないので代わりにトンネル名標識です。
 南側より見たトンネル内部です。坑門のボロボロ具合に比べると格段にきれいな状態です。が、よく見ると天井に大きな亀裂が入っています。



北側(富山県方面側)
 北側より見た「福島保木2号トンネル」です。
 こちら側も隣にある「福島保木3号トンネル」と洞門でつながっています。
 北側の坑門です。
 こちら側の坑門も一部が崩れかけています。崩れた箇所を見るとやはり鉄筋等の補強材は入っておらず、土まじりの大粒の砂利が中から崩れ出しています。
 扁額は洞門の屋根に隠れて見えません。なぜか隙間からブルーシートが覗いています。
 北側より見たトンネル内部です。



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初稿:2013年7月21日