<境の尾一里岩隧道>
「境の尾一里岩隧道」の名は、藤橋村と旧徳山村の境界をな
す大尾根「境の尾」とその尾根にある岩の名前に因んで名付
けられています。
 揖斐川にせり出した尾根の絶壁はまさしく交通の難所で、
物資輸送・文化の交流がこの「境の尾」で閉ざされていまし
た。これより上流は日本海の文化(越前の国)・下流は太平
洋文化(尾張・美濃の国)の影響を強くうけてきたといわれ
ています。
 尾根の頂上付近には、「一里岩」と呼ばれる岩があります。
杉原の里から山の尾根に沿ってけもの道をうねうね曲がりな
がら来ると「一里」(約4km)の距離になり、猟師仲間の
目印の岩であったということです。
<一里岩出典:藤橋村史、境の尾出典:美濃徳山の地名>


<抱徳煬和>
「徳を抱き、和を煬む」(荘子)
これまで上下流の文化交流の大き
な障壁となってきた「境の尾」を
この隧道で抜けて、今は移転を余
儀なくされた人々と藤橋の人々の
和気をあたため合う交流が始まる
ことを祈願する。

<以徳報徳>
「徳を以て徳に報いる」(禮記)
徳之山の人々の徳に敬意を表する。