川上1号トンネル

トンネル名称 川上(かおれ)1号トンネル
路線名 国道257号線
所在地 岐阜県下呂市馬瀬川上
延長(m) 21m
道路幅員(m) 5.0m
車道幅員(m) 4.5m
歩道等(m) 0m
有効高(m) 4.5m
竣工年度 1970年(昭和45年)
壁面 覆工 セメント系 内装なし
路面 アスファルト系
照明 なし
通行制限 なし
その他  
データは特記なき場合は平成16年度道路施設現況調査による
調査日 2009年1月24日



 国道257号線の岐阜県下呂市馬瀬(旧馬瀬村)地区、その高山市清見(旧清見村)との境近くに、素掘り吹付けの小さなトンネルとコンクリート製の洞門のようなものがあります。それがここで紹介する「川上1号トンネル」と「川上2号トンネル」です。
 現地には扁額やトンネル名を記した銘板などが無いので、どちらが1号トンネルで2号なのか分かりません。「平成16年度道路施設現状調査」によると、 「カオレ1ゴウ 昭和45年竣工 延長21m 壁面:覆工」、「カオレ2ゴウ 昭和48年竣工 延長8m 壁面:吹付」となっています。このデータからすると高山市清見に近い側の、コンクリート製の洞門のようなトンネルが「川上1号」で下呂市市街方面の素掘り吹付けのトンネルを「川上2号」と判断します。
 国道257号の起点は静岡県浜松市、終点は岐阜県高山市荘川町三尾河となっており、普通なら起点側の「素掘り吹付けのトンネル」が1号トンネルになる気がします。これは257号線のこのトンネルを含む区間が以前は県道「三尾河萩原線」といい、今と起点と終点が逆向きだったようなので、その頃からの名称を引き継いでる為ではないでしょうか。
 「日本全国隧道リスト」(昭和42年調べ)には、一般県道:三尾河萩原線、「川上第一 延長11.1m 昭和8年竣工 素堀」、「川上第二 延長18m 昭和8年竣工 素掘」と記載されています。延長、竣工年とも「平成16年度道路施設現状調査」とは食い違いますが、延長は後年の改修により変化、竣工年は「〜現状調査」は改修年を記載しているものと思われます。

 北側(高山市清見方面)より見た「川上1号トンネル」です。
 国道257号を清見方面より来ると、「かおれトンネル」を抜けると道幅が急激に狭くなり、そこに二つの小さなトンネルがあります。
 北側の坑門です。
 どう見てもコンクリート製の洞門の一種にしか見えませんが、これが「川上1号トンネル」のようです。
 トンネル内部には明かり窓が設けられています。
 トンネル先に見える鉄骨製のロックシェードはそのまま「川上2号トンネル」につながっています。
 南側から見た「川上1号トンネル」です。
 南側の壁面に付いていた銘板です。
 これから察するに、昭和44年に災害が起こり素掘りだった旧トンネルも損傷を受け、復旧の際に開削され現在の洞門のような姿になったのだと思います。

 調べてみますと昭和44年9月に美濃中部地震というのがこの地方を襲っています。銘板の印す「災害」となにか関係があるのかもしれません。


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初稿:2011年3月5日